**ゴーストの破片: ラスプーチン2 [#t09bd4c3] 彼女は護衛の無線通信を聞きながらタークという名のバルスを探している。ケイドは追跡のために彼女を火星に送り込み、彼女はその任務を幾度の死を乗り越えてまでも全うすると誓った。ケイドのために、彼女は永遠に捜索を続ける覚悟をした。 タークがメリディアンベイに入ったとなれば、彼女も夜にまぎれてメリディアンベイに入る。そして、戦いが勃発した。こんな風に―― ゴーストが警告した。「何か様子がおかしいです」と。彼女はスパローから飛び降り、静かに蛍の光が佇む古い石の間に隠れた。 頭上ではハーベスターが辺りを捜索している。用心深く、徘徊を怠らない。カバルの指令ネットワークでは、低い声がカバルの言葉で命令を出している。「戦闘準備をしろ。奴らが来る。持ち場について戦闘準備をしろ」 これを聞いて彼女は石の方尖塔に上り、頂で夜空を見上げた。感傷に浸っていたのだろう。タワーの地を二度と踏めるだろうか。タワーから滅びゆく星々をまた見上げることができるだろうか。 そして、黄金の光を輝かせてベックスが何もない空間からカバルの前に現れた。稲妻が湾曲してはじけ、ベックスの銅製の体が動き出して行進を始めた。銃を構える音が聞こえた。トレーサーが空を飛び回った。カバルの弾丸が標的を求めて飛んでいく音や、壊れた空間とねじ曲げられた時間を囁く異質の信号がひしひしと感じられた。ハーベスターが回転しながら崩れ落ち、砂の大地の上で壊れた。指令ネットワークはセンチュリオンの必死の戦闘指令を通信している。「ブラックシールド。ブラックシールド。ファイアベーススリア。外周に侵入された。最終援護射撃を要請。060, 138。即刻発射――」 この様子を見ているのは彼女だけではなかった。 感じるか?彼女のゴーストも畏怖しながら囁いている。 「分かってる。あれはいったい何なんだ?」と彼女は聞き返す。 3番目の歌、見えない凝視、ベックスでもカバルでもない強力な何かが目を細め、光と重力でこの戦いを測ろうとしている。彼女はこの存在を覚えているだろうか。そして、この存在は彼女を覚えているだろうか。これが何なのか覚えていてもいいはず... と彼女は思った。 古い何かが長い槍を持ち上げているような感覚を覚えた。その槍の重さを確かめているような。 そして夜明けが来た。なんとおぞましい。夜明けと共に空が開いてオービットから破滅が落ちてきたようだった。ミノタウロス達が落ちて炎上し、流れ出た液体をぐつぐつ言わせながら壊れていた。カバルの突き刺すような矢弾が空から降り注いで弾薬貯蔵庫に衝突し、雷のような音を立てながら爆発の連鎖反応を引き起こしていたのだ。 そして戦いが終わった。ベックスの姿は消えていた。カバルのネットワークでバルス・タークの声が轟く。「どこから来たか突き止めろ!フレイヤーを出せ!どこから来たのか突き止めろ!」 彼女は地球で聞いたことを思い出した。「アレイが開いた。コスモドロームのゴーストが開いてくれた」。そして、彼女は目の前で起こった戦闘について考えた。この戦いで勝ったのはどちらだ?より多く学んだのはどちらだ?この新しい力を誘い出したベックスか?それともその力を狩ろうとするカバルか?いや、もしかすると、一番得るものが多かったのはその力だったのかもしれない。蘇ったばかりの力を試していたウォーマインドだったのかも。 あるガーディアンがドラクシスを倒したように、誰かがタークやフレイヤーを倒す時、いったい誰の目的が達成されるのだろうか... 考えても仕方がない。私には関係ない。私の目的はタークを見つけることなのだから。 &br; #region("取得条件") |BGCOLOR(#BBBBBB):取得条件| - | #endregion [[グリモア一覧へ戻る>グリモアカード]] |
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