邪神オリックス のバックアップ(No.5)

邪神オリックスはファンダメントという大部分が海に覆われている海洋惑星に、ハイヴの一勢力「オスミウムコート」の王家の長女オラシュとして生まれた。
ファンダメントは52の衛星を持つ511の様々な種族が住む惑星だ。
航海士であり探究者であるオラシュには二人の妹がいた。思慮深く、知識にあふれ、マザーとなることを望む次女サソナ。勇敢で戦いの才に恵まれた、ナイトに憧れる三女サイ・ロー。
彼女たちは敵対するハイヴの勢力「ヘリウムコート」の動向に注意しながら成長していった。
だが彼女たちが2歳になるころに、オスミウムコートの王家の教育係でオラシュたちの教師である無性のマザー、タオクスが王家に見切りをつけ、ヘリウムコートの戦士、ヘリウムドリンカーと結託して謀反を起こした。
父であるオスミウム王はヘリウムドリンカーのナイトに討たれ、オラシュら姉妹たちは催眠効果のあるベイトスターを使うことで難を逃れ、船を駆ってヘリウムコートから脱出することができた。
姉妹たちは船のマストに左手を置き、右手に握ったナイフを左手に突き立て、マストに血の痕を残し、タオクスへの復讐と、王国の奪還、父オスミウム王が最後に残した遺言の追求をそれぞれの目に誓った。


オスミウム王は「朔望」という衛星の軌道の変化に恐怖していた。ファンダメントを周回する52の衛星は絶妙な軌道で巡っていたが、王は大規模な満潮を引き起こす衛星の軌道周期が訪れることを知ってしまったゆえに狂ったような奇行を繰り返していたのだ。
朔望によって大規模な満潮が起こり、そして朔望が過ぎることによる潮の揺り返し、巨大な津波がファンダメントを呑み込む。オラシュは文明を呑み込むほどの大きな波、神の波を阻止、もしくは生き延びる方法を探した。


姉妹たちはシブビ・メールストロムでニードルシップという古代の遺物の船を発見し、修理して自分たちのものにした。
だがオラシュは焦っていた。オラシュたちハイヴの寿命は10年程度しかない。船の仕組みを理解し修理を終え、航海に出る頃には姉妹たちは5歳になっていた。
このままでは自分たちはタオクスに復讐を果たす前に死んでしまう。父を討ったナイトが死んでしまう。オラシュは誓いを守るために偉大で強力な秘密を見つけることを求めた。
姉妹たちはニードルシップでファンダメントの深部に向かった。
さらなる時間。さらなる命を求めて。


姉妹たちは世界の表層を突き抜け、核に迫るために降下していった。ニードルシップが記す、ファンダメントの地図を貪るように読みながら。
ファンダメントに生息する様々な怪物と出会いながら、ニードルシップは降下する。
そして静かなところにたどり着いた時にオラシュは船のセンサーを起動した。
怪物のもがく音、大陸の衝突、ヘリウムネオンの雨、遠くの海が隆起するうなり、様々な音が聞こえる。海が遠くの衛星に引っ張られている。
朔望は本当だった。朔望は既に始まっていた。


古き伝説の生物、リバイアサンが彼女たちのニードルシップにのしかかった。リバイアサンは言う。
「戻らなければならない。ディープから己を守るのだ。世界から己を守るのだ。戻らねばならない」
リバイアサンはスカイとディープとの戦いを見ていた。
リバイアサンはオラシュら姉妹たちにファンダメントの上層、スカイへ戻るように言う。
スカイは安全だ。ディープは無慈悲だと言う。
だがオラシュは反論する。もはや上層には、スカイには破滅しかない。絶望しかない。姉妹たちは叫んだ。


私たちの命は短く絶望的だ。世界がそう決まっていても、私はそれに甘んじない!
タオクスのような人々の勝利が決まっていても、私はそれを許さない!
世界が変わるまで叩き続ける!
邪魔をする者は殺す!


姉妹たちは抗うことを選んだ。あるがままを受け入れるように諭すリバイアサンの言葉をはねのける。
スカイはいつだって自分たちに希望を見せてくれなかった。スカイではいつも苦しみとともに生きてきた。
だが自分たちに希望を見せ、道を示す虫がいる。父が朔望を探究する中、語り掛け続けた虫が。
その虫が導くのだ。もっと深くへ。ささやきが導く場所へ。
姉妹たちはより深くへ降下した。


姉妹たちはファンダメントの深淵部で、神と邂逅した。
イウルという神の虫と。
イウル、エイル、ソル、ユール、アッカはファンダメントの深淵、ディープに閉じ込められ、育ち、強大な力を持っていた。
彼らの目的はわからない。だが抗い、絶滅に立ち向かうために力を求める者を待っていたと言う。
愛しき宿主を。
神の虫イウルは言う。
スカイやリバイアサンのあらゆる力がオラシュたちハイヴを滅ぼそうとしている。
お前たち王子を助けたい。それぞれに取引…共生を申し出る。


神の虫たちの子供たち、幼虫を自らの体に取り込む。
それによって寿命に縛られることのない、老いのない永遠の命を手にすることができる。
か弱い自らの体を思い通りにする力、肉体を支配することができる力を手にすることができる。
世界の不完全さ、不正、不便さを修復する力を手にすることができる。
法則を超越する。もはや縛られることはない。


だが与えられた永遠に対する対価もまた、永遠だった。
神の虫により力を与えられた者は、自分たちの本質に従わなければならない。
オラシュは子供たちのために永遠に探検と探究を続ける。
サソナは狡猾さを永遠に捨てない。
サイ・ローは永遠に力を試し続ける。
自らの本質に背く時、虫が姉妹たちを飲み込む。
そして力が増すごとに、虫の食欲も増す。
だが、我々が差し出すのは永遠だ。銀河でのチャンスを提供する。
ハイヴの王子たちよ、自らの種族に永遠をもたらそうとは思わないか。

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  • オリックスの編集をしているハトです。オリックスの軌跡を物語風にわかりやすくしようと思いこの項目を書いています。内容はコンパニオンアプリのグリモア、憂愁の書とゲーム内から抜粋しています。憂愁の書はあと3枚足りないので完全なものは現段階ではできていません。個人的に書いているので、考察や不十分だったり、矛盾があったりすると思うので指摘やアドバイスをもらえるとありがたいです。あと、レイアウトができる人がいたら手を貸してほしいです。 -- ハト? 2015-12-03 (木) 19:28:52
  • オリックスを「にーに」「あにくん」と呼ぶ妹達(白目 -- 2015-12-04 (金) 12:44:45
  • わかりやすくていい文章だね。 (^-^ -- 2015-12-04 (金) 14:19:06
  • XBOX版やってて英語わからないので何となくで理解していたのですが、あの気持ち悪いやつらにもこんな背景があったとは・・ほんと読みやすくていいです -- 2016-01-19 (火) 21:21:11
  • なぁなぁオリックスて女の子だったの? -- 2016-11-24 (木) 01:35:20
    • 元々はね。虫との共生での変異で男になった -- 2016-11-24 (木) 20:59:39
  • なんかクトゥルフとかそっち方面の雰囲気強いよね -- 2017-12-10 (日) 06:54:59
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