「始まりでも終わりでもない。この存在を消し去っても全てが終わるわけではない。だが、最後のハートを止めるまで、ハイヴの憎悪は永遠に闇に広がり続ける」
エリス: これを記録してくれ。 クロタハート。 奴の血がハイヴの怒りを駆り立てている。 オマールは死んだと思っていたが、叫び声が聞こえてきた。その声を辿ってさらに奥へと続く洞窟、真っ暗闇の中へと進んだ。私が見たものは... 世にも恐ろしいものを見てしまった。ハイヴの邪悪な行為が視界いっぱいに映った。 繭で埋め尽くされた地面、それを囲む孵化したばかりの何千というハイヴ。ハートの手に落ちた、骨と痛みに苦しむオマール。ハートがオマールの体から光を取り出していた。どうやって?私も試したことがあるが、想像もつかない。光がうねりながらオマールの体を離れていく。 光が抜き出されるたびに、オマールの悲痛の叫びが響き、繭の中から軽快な声が聞こえてくる。餌は光なのか?それとも苦痛なのか?私には知る由もないが、おそらく両方だろう。おそらく... ハートと言っても名ばかりだ。本当に心があるとは思えない。ハートがオマールの光をこだまさせてクロタの子供達を育てている様子は、まるで悪夢のオーケストラを指揮しているかのようだった。 ハイヴを止めなければならない。これ以上苦しみを広げてはいけない。いつか、ハートにその悪行を報わせてやる。私自身の手で成し遂げられなくてもいい。奴がこれまで与えてきた苦痛に相当するだけの終焉を迎えれば。